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社員インタビューの質問例|仕事内容と入社後のギャップを聞く12問

採用広報の社員インタビューは、候補者が知りたいことから質問を選びます。仕事内容、入社前後の違い、周囲の支援を聞く12問と、回答を具体化する追加質問、取材から記事にするまでの進め方を紹介します。

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Index目次10項目

採用広報の社員インタビューでは、候補者が知りたいことを決め、その答えになる仕事の場面を聞くことから質問を作ります。入社理由ややりがいに加え、実際に任された仕事、迷った判断、周囲の支援を聞くと、働く姿を説明する材料が集まります。

「裁量があります」という回答だけでは、自分で何を決められるのかはわかりません。「最近、自分で決めて進めた仕事は何ですか」と聞き、どこから上司に相談したのかまでたどれば、裁量の範囲を伝えられます。

この記事は、採用サイトやオウンドメディアで社員紹介を作る担当者向けの質問設計ガイドです。在籍する社員への取材を扱い、応募者を評価する採用面接の質問集とは区別します。以下の12問や取材の進め方は編集部の提案です。すべてを順番に聞く台本ではなく、一本の記事に必要な問いを選んで使ってください。

最初に、候補者の疑問と答えられる社員を決める

質問を選ぶ前に、「どの職種を検討する人の、どの疑問に答えるか」を一文にします。その問いを実際の経験で説明できる社員が、取材相手の候補になります。

たとえば、営業経験者に「専門知識のない状態から、どう仕事を覚えるか」を伝える記事なら、異業種から入社した社員の経験が材料になります。事業の将来像を伝える記事なら、方針を決める立場の人に聞く必要があります。役職や話のうまさだけで選ぶと、知りたい仕事の細部を聞けないことがあります。

候補者の疑問聞きたい経験相手を選ぶときの確認
最初から一人で任されるのか入社直後の担当と、支援を受けた場面配属当初の仕事を具体的に振り返れるか
経験をどう生かせるのか前職と共通する仕事、新しく覚えた仕事読者が検討する職種に近い経験があるか
自分でどこまで決められるのか提案、判断、承認の実際の流れ自分が決めた部分と周囲の役割を分けられるか

候補者の疑問は、採用担当者が面談で受けた質問、説明会で繰り返し聞かれること、募集要項だけでは伝わりにくい業務から探せます。個人の相談内容をそのまま記事にせず、職種に関係する共通の問いへ整理します。材料がない段階では仮説として置き、取材相手に「候補者へ説明しておきたいことは何か」も確かめましょう。

株式会社SmartHRの自社メディア「Real SmartHR」は、2025年5月28日の採用担当・近藤愛さんへのインタビューで、候補者が抱く会社像と実態の差を埋めるため、ブログなどで情報を増やす取り組みを紹介しています。1 これは同社の当時の説明です。この記事から参考にできるのは、「会社の良さ」全般より、候補者がまだ知らない仕事や役割を問いにする視点です。

社員インタビューで使う12の質問例

質問は、仕事内容、入社前後の違い、働く環境の三つに分けて選べます。最初に現在の担当を聞いて前提をそろえ、今回の記事の中心になる経験へ進みます。たとえば異業種から転職する人向けなら、質問1で担当を確認したうえで、質問7・8のギャップと学び方、質問9の相談場面を詳しく聞く組み立てが考えられます。

以下の「確かめたいこと」は、回答を誘導する正解ではなく、聞き漏れを点検するためのメモです。

仕事内容と判断を聞く4問

質問確かめたいこと
1. 今は誰に対して、どんな仕事を担当していますか職種名だけではわからない相手、業務、担当範囲
2. 最近の仕事を一つ選ぶと、どのような順番で進めましたか始まりから終わりまでの動きと、関わる人
3. その仕事で、自分が決めたことは何でしたか本人の判断と、上司・他部署が判断した部分
4. 進めるうえで迷ったことと、選ぶ決め手は何でしたか選択肢、制約、その人が大切にする基準

営業なら「提案した」で止めず、誰の何を確認し、どんな資料を用意し、誰と相談したのかを聞きます。エンジニアなら、実装だけでなく、要件の確認やレビューにどう関わったかをたどる方法があります。顧客や製品を特定できる説明が必要なら、掲載可能な範囲を別途確認します。

入社理由とギャップを聞く4問

質問確かめたいこと
5. 入社先を考えたとき、仕事選びで重視していたことは何ですか本人が比較した条件と、選択の軸
6. 入社前に知りたかったことは、何でしたか候補者にとっても残りそうな疑問
7. 入社前の想像と、実際に働いてみて違ったことはありますか良い変化も戸惑いも含む、期待との違い
8. 入社直後に難しかった仕事は、どう進めましたか最初の担当、学び方、支援、まだ難しい部分

ギャップを聞くときは、「良い意味で驚いたこと」に限定しません。戸惑いがあったなら、いつの、どんな状況だったのかを聞きます。解決していない話を、編集で成長物語へ閉じないことも大切です。

周囲の支援とこれからを聞く4問

質問確かめたいこと
9. 最近、困ったときは誰に、どう相談しましたか相談先の存在だけでなく、実際のやり取り
10. チームで意見が分かれたとき、どう決めましたか議論、決定、役割分担の進め方
11. 入社後に任される範囲は、どのように変わりましたか変化の時期、条件、本人の経験の範囲
12. これから同じ仕事に入る人に、最初に伝えたいことは何ですか準備しておくこと、仕事の面白さと難しさ

昇進や働き方の話は、一人の経験と全社の制度を分けます。「自分は入社半年で担当した」という発言を、「誰でも半年で担当できる」と書き換えることはできません。制度として説明する部分は、現在の募集要項や担当部署の確認を加えます。

抽象的な回答には、場面・行動・判断を足して聞く

「風通しが良い」「成長できる」と答えてもらったら、その言葉を実感した出来事へ戻ります。形容詞を削るのではなく、読者が意味を確かめられる場面を添えるためです。

GOV.UKの「Using in-depth interviews」は、利用者調査のインタビューで、答えを誘導しない開かれた質問を使い、一般論より具体的な経験を聞くことを勧めています。2 採用広報そのものの効果を検証した資料ではありませんが、聞き手の想定に回答を寄せないための参考になります。

抽象的な回答から、いつの場面か、何をしたか、なぜ選んだかへ追加質問を進める。本人の判断を具体的な出来事と結び付ける。
一つの回答を、出来事と選択の理由へ掘り下げる。編集部作成の概念図。

たとえば「若手も意見を言えます」という回答を受けたと想定します。続けて「最近、ご自身が提案したのはどんな場面でしたか」「誰に、何を伝えましたか」「その後、どう決まりましたか」と、一つずつ聞きます。採用された提案だけでなく、見送られた提案とその理由にも、判断の仕組みが表れます。

追加質問は、一度に重ねすぎないようにします。「なぜそうしたのか」が答えにくければ、先に「何と何を比べたか」を聞く方法もあります。出来事が思い当たらない場合は、考える時間を取り、別の仕事を聞くか、取材後の追加確認に回します。

「上司の支援があったから成功したのですね」と、聞き手が原因を決めるのは避けます。「何が進展につながったと思いますか」と本人の見方を聞き、他の要因や、本人にもわからない部分を残してください。

職種と経験に合わせて、質問の重点を変える

質問の共通部分を残しながら、候補者が判断に使う情報を職種ごとに厚くします。同じ質問で全員から違う答えを引き出そうとするより、実際の業務に合わせた追加質問を用意します。

対象追加で聞く例記事で説明したいこと
若手・新卒入社の社員最初に任された仕事で、どこを自分で進め、どこで助けを借りましたか入社直後の仕事と支援の具体像
中途入社の営業社員前職の経験が使えた場面と、新しく覚えた仕事を一つずつ教えてください経験のつながりと学び直す範囲
エンジニア・専門職方法を選ぶとき、何を比較し、どんな制約を考えましたか技術の名前だけでは見えない判断
管理職メンバーに任せる判断と、自分が引き受ける判断をどう分けていますか権限と支援、チーム運営の実際

社員一人の話で、会社全体を代表させる必要はありません。記事では、取材時点の所属・担当・経験年数など、話の範囲を理解するために必要な情報を示します。部署によって運用が異なる場合は、その条件も添えます。

経営者と現場社員の両方に聞くべきか迷うなら、インタビューの人数を役割で決める方法も参考になります。人数を増やす目的は意見の数をそろえることではなく、一本の問いに必要な情報を補うことです。

質問票には、優先する問いと確認事項を残す

取材前の質問票には、質問文だけでなく、読者、記事の目的、優先して聞きたい経験、掲載範囲をまとめます。社員には話題を事前に共有し、完成した回答を暗記してもらう必要はないと伝えます。

読者の疑問から質問を組み立てる手順は、取材質問の作り方でも説明しています。この記事の12問を選ぶ前の整理に使えます。

次は、編集部が作成した準備用テンプレートです。

想定読者・検討する職種:
今回、答えたい候補者の疑問:
取材相手の所属・担当・経験:
優先して聞く質問:
具体的に振り返ってほしい仕事:
話せる範囲/今回は扱わない情報:
録音・撮影の方法と利用範囲:
掲載先・公開予定・氏名や写真の扱い:
事実や制度を確認する担当:
原稿確認の方法と返却期限:
取材後に追加確認すること:

限られた時間では、すべての質問を同じ深さで扱う必要はありません。たとえば仕事内容を伝える一本なら、現在の担当を短く確認し、具体的な仕事と判断に時間を使います。質問票には今回の中心となる問いを明示しておきます。

また、公開する記事であること、録音・写真の用途、回答や掲載を控えたい話題の伝え方を事前に共有します。本人が話しにくい私生活を、親しみやすさのために引き出す必要はありません。仕事に必要な情報へ戻り、公開範囲が曖昧な箇所は確認事項として分けておきます。

当日は、本人の発言と聞き手の解釈を分け、追加確認したい点も記録します。取材メモの取り方では、録音の時刻と発言・要約を対応させる方法を紹介しています。

外部の編集者やライターへ依頼する場合は、この質問票と記事制作の依頼書をつなげ、取材後の追加確認を誰が担当するかまで共有します。

記事にするときは、候補者の疑問に答える順へ並べる

取材後は、話した順や質問番号に縛られず、今回の候補者の疑問が解ける順に構成します。仕事内容が主題なら、現在の担当、具体的な仕事、判断と支援、入社後の変化へ進む形が考えられます。

baluboでは、取材原稿を編集する際、結論だけでなく、その人が何を選び、どんな理由で判断したかを残すことを基準にしています。社員インタビューでも、「やりがいがある」という回答を別の形容詞に磨く前に、その実感につながる行動が原稿にあるかを確かめます。

本人の慎重な言い方や、まだ解決していない課題を、会社の紹介に都合がよい断言へ変えないようにします。録音・メモへ戻って意味を照合し、制度・数値・固有名詞と、氏名・写真・発言の掲載範囲を確認します。構成を作る際は記事構成案のテンプレート、発言を整理する際はインタビュー記事の構成と編集を使えます。

本人や関係部署へ原稿を送るときは、取材原稿の確認依頼を参考に、何を誰に確かめたいか、修正をどこへ返すかをそろえます。

公開前に、タイトルと本文だけを読んで「この人がどんな仕事をしているか」「どこで判断し、誰と働くか」を説明できるか見直してください。募集職種へのリンクを置くなら、現在の募集内容と記事中の条件が食い違っていないかも確認します。記事一本の閲覧数だけで採用効果を断定せず、面談で残った疑問などを次の取材へ戻していきます。

次の社員インタビューでは、まず候補者の疑問を一つ選び、その答えになる仕事を一場面、聞ける状態にしてみてください。

参考資料

外部資料の確認日:2026年10月15日。質問例、図、テンプレート、職種別の整理は編集部の提案です。説明用の回答例は想定であり、実在する社員の発言ではありません。

  1. 株式会社SmartHR「タフに前向きに。総合力が試される採用の仕事でチャレンジし続ける - 近藤愛さん」(2025年5月28日)。会社像と実態の差を埋める情報発信について、当時の担当者が語った例として参照。
  2. GOV.UK Service Manual「Using in-depth interviews」(2017年2月21日公開)。利用者調査の質問設計・具体的な経験の聞き方を参照。採用広報の成果を示す資料ではありません。

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