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記事制作の依頼書に何を書く? 目的・範囲・確認者の決め方

ライターや制作会社に記事を頼むときは、目的と読者に加え、任せる工程、渡せる資料、確認者、完了条件を共有します。記入例と依頼書テンプレートで、発注前に決めることを整理します。

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記事制作の依頼書には、誰に何を届けるか、どこまで制作側に任せるか、誰が何を確認するかを書きます。テーマ・文字数・納期に加え、この三つを共有すると、制作側が提案してよい部分と、発注側で決める部分を区別できます。

たとえば「採用広報の記事を3,000字で」と伝えても、仕事内容を説明するのか、働く人の判断を描くのかは決まりません。「社員への質問作成から依頼したい」のか、「取材済みの録音を渡して執筆だけ頼みたい」のかでも、必要な仕事は変わります。

本記事は、初めてライターや制作会社に記事を依頼する担当者に向けたものです。依頼書の項目、実務で分けておきたい完了条件、記入例を紹介します。様式は編集部の提案です。発注書や契約書そのもののひな型ではなく、制作内容を相談し、認識をそろえるために使ってください。

記事制作の依頼書は、目的と担当範囲を共有する資料

記事制作の依頼書は、制作に必要な判断の前提をまとめた資料です。「制作ブリーフ」と呼ぶ場合もあります。ここでは記事の目的、読者、制作範囲、素材、進め方を共有する文書として扱います。

業務管理サービスを提供するAsanaは、クリエイティブブリーフの要素として、目的、対象者、メッセージ、成果物、関係者、予算、日程、配信方法などを挙げています。対象は記事に限らない制作全般ですが、依頼時の情報を整理する参考になります。1

依頼書と構成案は、役割が異なります。

文書主に決めること記載例
制作依頼書なぜ作るか、誰に届けるか、どこまで任せるか読者、目的、取材の有無、納品物、確認担当、日程
記事構成案本文で何を、どの順番で説明するか見出し、節ごとの答え、根拠、具体例
進行表誰が、いつまでに何を進めるか構成確認日、取材日、初稿日、確認期限、公開予定日

構成から相談したいなら、依頼前にすべての見出しを完成させる必要はありません。依頼書に「構成提案を含む」と書き、決まっている前提を渡します。本文の設計に進む際は、記事構成案の作り方を参照してください。

最初に「誰の、どんな判断を助ける記事か」を書く

依頼書の冒頭には、読者の置かれた状況と、読み終えた後にできることを書きます。「認知を広げたい」という発注側の目的だけでなく、読者が記事を読む理由まで伝えるためです。

ディレクターバンクは、自社のオウンドメディア運用を踏まえた記事で、媒体の目的・編集方針と、記事ごとの対象読者や検索意図の仮説を明文化する進め方を紹介しています。2 媒体全体の方針と、今回の一本の役割を分けて渡すと、制作側も記事の位置づけを判断できます。

たとえば、以下のように書き分けます。これは説明用の架空例です。

  • 媒体の目的:初めてオウンドメディアを担当する人の、日々の制作判断を助ける。
  • 今回の記事の読者:外部ライターへの依頼を任されたが、何を伝えればよいか迷っている担当者。
  • 読後にできること:社内で決めることを整理し、制作内容の相談に使える依頼書を作れる。
  • 今回扱わないこと:制作会社のランキングや、業界全体の価格相場。

検索から読まれる記事なら、主軸キーワードと検索意図も添えます。ただし、キーワードがあるだけで読者の状況まで決まるわけではありません。「比較の判断がしたい」「自分で作業したい」など、求める答えの違いを明記しましょう。

目的自体が定まらない場合は、企画づくりから相談する依頼にします。「企画は未確定。読者と主な問いを決める打ち合わせを含めて相談したい」と書けば、執筆依頼とは別の作業として話し合えます。

任せる仕事と、社内に残す仕事を分ける

制作範囲は「記事制作一式」だけでなく、工程ごとに担当を書きます。特に、取材先との調整、事実確認、画像の準備、公開作業は、本文執筆と分けて確認したい項目です。

次の表は、社員インタビューを依頼する場合の分担例です。すべての案件に共通する標準ではなく、相談の出発点として使います。

工程制作側へ相談する仕事発注側が担当する仕事の例
企画・構成切り口、質問案、構成案の提案読者と目的の共有、扱う範囲の決定
取材インタビューの進行、記録話者の選定、参加依頼、候補日の調整
原稿執筆、出典の整理、合意した範囲の修正社内資料の提供、固有名詞や数値の確認
写真・図版撮影や図解の制作を含めるか相談提供素材と利用可能な範囲の確認
内容確認コメントの反映、不明点の質問関係者の意見集約、公開可否の判断
公開管理画面への登録や実ページ確認を含めるか相談アカウント手配、公開操作の担当決定

一人が複数の役割を担うことはあります。大切なのは、人数を増やすことではなく、どの判断を誰が引き受けるかを明確にすることです。

構成・写真・修正は、必要な成果物まで書く

必要な成果物は、形式や点数とセットで伝えます。「画像もお願いします」なら、写真の選定だけか、撮影か、図解制作かを具体化します。記事内の図とSNS告知用の画像が必要なら、それぞれを分けます。

修正についても、「確認担当が一度に意見をまとめて返す」「構成を確認した後に取材対象が増える場合は、日程と作業範囲を相談し直す」など、やり取りの方法を決めておきます。修正回数や追加作業の扱いは、見積もり・合意内容とそろえます。

予算が限られる場合は、必要な工程に優先順位をつけて相談します。たとえば、撮影を提供写真に置き換えられるか、構成を社内で作れるかは検討できます。一方、記事の結論を支える事実確認は、担当を外してよい仕事にはなりません。社内か制作側か、担い手を決めます。

渡す資料には「何に使えるか」を添える

資料は、用途と公開できる範囲を示して渡します。社内資料の共有は、そのまま本文へ転載してよいという指示にはしないようにします。

製品の説明資料なら、仕様の確認に使うのか、読者向けの表現も参考にするのか。過去記事なら、文体を合わせたいのか、同じ説明を繰り返さないために見てほしいのか。参照してほしい箇所と理由があると、素材の役割が伝わります。

素材添えておきたい情報
製品資料・調査資料資料名、版や日付、参照箇所、公開可能な範囲、確認先
取材録音・文字起こし取材日、話者、発言確認の状況、使用しない箇所
過去記事・参考記事URL、参考にする点、今回は変えたい点
写真・図表内容、利用条件、必要なクレジット、元データの有無
表記ルール正式名称、文体、用字、避けたい表現と理由

未確認の情報には、その状態を残します。「導入効果の数値は担当部署が確認中」「製品名は正式発表前なので本文には出さない」と記載すれば、調査用の材料と掲載できる情報を区別できます。

AIツールを制作に使う場合も、社内資料や取材記録を入力してよいか、使えるツールと利用範囲を先に共有します。判断が付かない素材は、入力してから確認する流れにしないようにします。

「原稿完成」と「公開完了」の条件を分ける

依頼書の完了条件は、成果物を確認できる状態で書きます。原稿を受け取った時点で終わる依頼と、公開画面まで確認する依頼では、担当する仕事も締め切りも異なります。

balubo magazineの制作では、原稿と画像を準備して確認する工程、記事を公開する工程、公開後の表示を確認する工程を分けて記録しています。原稿が完成しても、まだ読者に公開されていない状態があるためです。

この区分を外注時の依頼書に応用するなら、各工程の担当と完了条件を次のように整理できます。以下は編集部の提案であり、すべての制作サービスに含まれる作業を示すものではありません。

原稿完成、公開、公開後確認を別々の工程として順に並べる。依頼する範囲を選び、それぞれに担当者と完了条件を決める。
原稿の納品から公開後確認まで、どこを任せるかを決める。編集部作成。
  • 原稿完成:構成と本文の確認が終わり、出典・画像・必要なクレジットを含む納品物がそろっている。
  • 公開:指定したページで読者が記事を閲覧できる。予約登録だけで完了とするか、実際の公開まで含むかも決める。
  • 公開後確認:実ページの本文、画像、リンクを確認し、必要な画面幅で表示を見直している。

原稿納品のみを依頼するなら、公開と公開後確認は社内の担当を決めます。依頼書の範囲外だからといって、工程そのものが不要になるわけではありません。

また、納品日だけでなく、社内から資料を渡す日、構成確認を返す日、初稿の確認期限も置きます。確認者が複数いる場合は、各自が制作側へ別々にコメントするのか、窓口がまとめるのかまで共有します。工程全体の日付を管理するには、コンテンツカレンダーとつなげると整理できます。

記事制作の依頼書テンプレートと記入例

依頼書は、決定事項と相談したい点を分けて書けば、未確定の部分があっても打ち合わせに使えます。空欄にするより「提案希望」「確認中」と記し、誰がいつ決めるかを添えましょう。

以下を文書ツールにコピーして、必要な項目を残して使ってください。

【記事の目的】
掲載媒体・想定する使い方:
対象読者・困っている場面:
読後にできるようになること:
テーマ・主軸キーワード:
必ず扱うこと/今回は扱わないこと:

【制作範囲】
依頼する工程:
社内で担当する工程:
納品物・形式・点数・分量の目安:
写真・図版・管理画面への登録の扱い:
予算の目安・見積もりで相談したい点:

【資料と確認】
渡せる資料・参照箇所・用途:
公開できる範囲・利用条件:
表記・文体のルール:
AI利用の可否と素材の取扱条件:
事実確認の担当:
意見をまとめる窓口・最終確認者:

【進行と完了条件】
資料提供日/構成確認日/初稿日:
確認の返却期限/納品日/公開予定日:
修正のまとめ方・追加作業の相談方法:
どの状態になれば依頼範囲が完了するか:
未確定事項・決める担当・期限:
合意した版・更新日:

たとえば「社内に取材録音があり、本文の執筆を依頼したい」という架空の案件なら、制作範囲は次のように書けます。

社員インタビュー記事1本。確認済みの録音と文字起こしを提供し、構成提案・本文執筆・合意した範囲の修正をお願いします。納品形式は編集可能な文書です。追加取材、撮影、公開作業は今回の依頼に含めません。発言と公開可能な範囲は社内窓口が確認します。録音だけでは答えが不足する場合は、不足項目を共有いただき、追加確認の担当と日程を相談します。

この例に、目的、読者、分量、具体的な日付や修正条件などを加えます。録音の長さや内容、求める記事の詳しさによって作業量は変わるため、「同じ文字数なら同じ仕事」とは扱わないことが大切です。

依頼前に、制作側が判断できるか読み直す

依頼書を送る前は、制作側が「何を提案してよいか」「何を確認すべきか」「どこまで終えればよいか」を読み取れるか確認します。

たとえば「読みやすくしてください」は、読者が専門用語を知らないのか、長い説明の要点をつかめないのかで編集が変わります。「参考記事のように」も、文体、構成、情報量、写真の扱いのどこを指すかを添えます。

企画の提案を求めるなら、結論や見出しをすべて固定する必要はありません。反対に、すでに社内で決めた要件を提案対象として渡すと、不要な検討が生まれます。決めたこと、任せること、一緒に決めたいことを最後に読み分けてみてください。

発注先や費用も検討する段階なら、記事制作の外注費用と依頼先の選び方を、導入事例特有の取材・確認・活用の相談には導入事例制作のQ&Aを参照してください。

参考資料

外部資料の確認日:2026年10月8日。テンプレート・分担表・架空の記入例は編集部が作成しました。原稿完成・公開・公開後確認を分ける考え方には、balubo magazineの制作運用を反映しています。

  1. Asana「The complete guide to writing creative briefs」(ページ記載日:2026年4月23日)
  2. ディレクターバンク「オウンドメディアの記事制作で、ライターと意思疎通する発注の仕方」(2019年12月10日)

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