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カスタマージャーニーとは——サービス設計の歴史から学ぶBtoBの作り方

カスタマージャーニーの定義と歴史、ファネル・ブループリントとの違いを解説。記事制作を再開する架空のBtoB作例で、顧客の問い、確認できた資料、未確認の仮説、次の確認を分けてマップにする方法と記入用ひな型を紹介します。

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SERIESはじめてのBtoBマーケティング(8/8) ↗
Index目次24項目

カスタマージャーニーとは、顧客が課題に気づき、情報を集め、比較し、購入し、利用を続けるまでの体験を整理したものです。BtoBでは、一人が一本道を進む図では不十分です。複数の関与者と、途中で戻る検討を含めて考えます。

カスタマージャーニーとは

Customer Journeyは、直訳すると「顧客の旅」です。顧客が企業や商品を知ってから購入するまでに、何を考え、どの接点に触れ、どこで迷うかを時系列で整理します。図にしたものをカスタマージャーニーマップと呼びます。

Nielsen Norman Groupの「Journey Mapping 101」は、ある人が目標を達成する過程を可視化する方法と説明しています。対象者、場面と期待、段階、行動・考え・感情、改善機会が基本の要素です。購入の前後すべてを毎回描く必要はなく、今回知りたい体験の範囲を先に決めます。Salesforceの解説も、顧客の行動や接点、思考・感情を整理する方法を紹介しています。

営業が同席しない時間にも、候補の比較や社内調整は進みます。たとえばワンマーケティングの2025年度版BtoB購買プロセス白書では、初回面談前に候補が「ほぼ1社に決まっていた」29.2%と「数社に絞り込まれていた」56.2%を合わせると85.4%です。ただし、この設問は初回面談の参加者96人への単一回答で、調査全体600人の割合ではありません。

コレタ for Salesの2026年調査の紹介では、Vol.1の180人のうち、「営業担当者が不在のまま社内検討が進んだこと」について「その方が多かった」31.1%と「半々くらい」42.8%を合わせて73.9%としています。営業と一度も接触せず購入した割合ではなく、同ページが紹介する別の250人の調査とも分けて読みます。いずれも特定の調査回答であり、ジャーニーマップを作れば受注が増えると示した効果検証ではありません。

顧客の旅はどう生まれたか

現在の実務を理解する手掛かりとして、サービス設計、購買の意思決定、顧客体験の研究を見ていきます。以下は編集部が選んだ関連する考え方であり、ある手法が別の手法を置き換えたという一方向の発展史ではありません。

顧客の体験を見るための関連する考え方
1

販売ファネル——顧客群の段階を見る

認知から購入までを段階で捉え、人数や転換を集計する。個人の迷いや検討が戻る理由は、別に調べる。

2

1984年——サービス設計の論考

G. Lynn Shostackの「Designing Services That Deliver」がHBRに掲載される。サービス設計を考える関連資料の一つ。

3

2009年——循環で捉える

McKinseyが消費者調査に基づくConsumer Decision Journeyを紹介。比較中の候補の増減と購入後の体験にも目を向ける。

4

2011年——購入前の情報探索を見る

GoogleのZMOTは、購入を考えた人がWeb検索やレビューなどで調べる場面を捉える。

5

2016年——体験研究を整理する

LemonとVerhoefが、購入前・購入・購入後と、多様な管理主体の接点を整理する。

6

BtoBで使う——関与者と戻りを調べる

各モデルの視点を参考に、誰が何を確認するかを自社で調べる。役割や問いが異なる場合は、複数のマップに分ける。

各資料の対象と目的は異なります。歴史的なモデルを、そのまま現在の日本のBtoBへ当てはめないようにします

Shostackの「Designing Services That Deliver」は、1984年1月にHarvard Business Reviewへ掲載されたサービス設計の論考です。本記事では公開ページで確認できる書誌情報の範囲で挙げています。現在のブループリントの要素は、Nielsen Norman Groupの「Service Blueprints: Definition」で確認できます。顧客に見える対応と、その裏で支える作業・システムを区別する考え方です。顧客視点のマップと、社内の工程図を混同しないために役立ちます。

2009年、McKinseyは「The consumer decision journey」で、5業界・3大陸にまたがる約2万人の消費者調査を紹介しました。最初の候補から絞るだけでなく、調査中に候補が加わり、購入後の経験が次の選択に関わる循環を示しています。対象は消費者で、日本のBtoB企業でマップの効果を測った実験ではありません。

2011年のGoogleの「Winning the Zero Moment of Truth」は、試用や購入を考えた商品・サービスについて、端末を使って調べ始める場面をZMOTと呼んでいます。同書には価格比較やレビューを調べる例が登場します。検索が接点に加わった歴史を考える資料であり、当時の消費者調査の数値を現在のBtoBの割合として使うものではありません。

2016年、Katherine LemonとPeter Verhoefは「Understanding Customer Experience Throughout the Customer Journey」で既存の研究を整理しました。購入前・購入・購入後の3段階と、ブランド側、パートナー側、顧客側、社会・外部の接点を扱っています(著者所属大学の公開版)。企業のWebだけでは体験の全体を把握できない、という視点を得られます。ただし、個々の接点の効果を一律に証明したものではありません。

ファネルやブループリントとの違い

三つは競合する図ではありません。見る単位と解きたい問題が違います。

手法中心に置くもの得意な問い代表的な要素
マーケティングファネル顧客群の段階と転換どの段階で人数が減るか認知数、リード、商談、受注率
カスタマージャーニーマップ特定顧客の状況と体験なぜ迷い、何が次の判断を助けるか行動、問い、感情、接点、障害
サービスブループリント体験を支える業務工程その体験をどの仕組みが生むか表側の接点、裏側の作業、人、システム

架空の例で考えると、資料請求後の商談化率の変化をファネルで見つけ、取材で「資料だけでは社内説明しにくい」という声を集めてジャーニーへ置きます。その困り事に対応する資料の準備や担当者間の引き継ぎまで設計するのが、ブループリントの役割です。資料を足せば必ず商談化する、とまでは言えません。

マップ一枚に三つの役割を詰め込むと読めなくなります。まずジャーニーで顧客の判断を描き、重要な箇所だけ数値や業務工程へ接続します。

一本道ではない

「認知→興味→比較→購入」という矢印だけでは、BtoBの実態を表せません。担当者が比較を終えた後に決裁者が加わり、課題の説明からやり直す場合があります。セキュリティ確認で別案へ戻ることもあります。

企業側のファネルと、顧客側の旅
A一本道として描く
  • 一人が順番どおり進む
  • 問い合わせを購入直前と考える
  • 企業の施策名を並べる
  • 一度作ったら固定する
  • すべての顧客を一枚に入れる
B仮説の地図として描く
  • 複数人が途中から加わる
  • 問い合わせ後も比較が続く
  • 顧客の疑問と行動を書く
  • データと商談から更新する
  • 重要な顧客と状況に絞る

地図は現実そのものではありません。顧客を決められた経路へ押し込むものでもありません。社内の人が持つ断片的な顧客理解を一枚に置き、どこを確認すべきか、どの情報が不足しているかを話し合うために使います。

複数の関与者を見る

BtoBでは、企業としての旅と、各担当者の旅が重なります。ペルソナとはで整理した購買上の役割を、各段階へ配置します。

  • 課題の所有者:現場の問題を最初に感じる人です。業務負荷、品質、売上など、現在の痛みを具体的に把握しています。
  • 推進担当者:解決方法と候補企業を調べ、社内調整を進めます。どんな情報を使っているかは、実際の記録と取材で確かめます。
  • 専門確認者:法務、情報システム、購買などです。リスク、契約、運用条件を確認し、検討を戻すことがあります。
  • 決裁者:投資の優先順位と妥当性を判断します。経営課題、費用対効果、導入しない場合の影響を見ます。

まず一人の対象者と具体的な場面を中心に置き、ほかの関与者が加わる地点を記録します。誰の考え・感情かが混ざる場合は、役割別のマップに分けます。一つの記事ですべての関与者に答えようとすると、内容が長く曖昧になります。推進担当者向けの入門、専門確認者向けの仕様、決裁者向けの事例と費用のように、役割ごとに分けてつなぎます。

マップの基本項目

カスタマージャーニーマップは、横軸に検討段階、縦軸に顧客の状態を置きます。最初から感情曲線や細かなチャネルを詰め込まず、企画判断に使う項目へ絞ります。

項目書く内容確認する情報
状況・きっかけなぜ今、検討が始まったか顧客取材、問い合わせ
関与者誰が参加し、誰が決めるか商談記録、営業ヒアリング
問い・判断何を知り、何を比べるか検索語、質問、失注理由
行動・接点どこで情報を集めるかアクセス、メール、イベント
障害何が不安で止まるか法務・技術確認、失注分析
必要な情報次へ進むために何が要るか記事・資料の棚卸し
観測項目何を確認でき、何は未計測か回遊、商談化、営業利用。それぞれの対象と期間も記す

「感情」を書く場合も、想像で「不安」「期待」と置くだけでは改善につながりません。何が分からないから不安なのか、どの証拠があれば判断できるのかまで具体化します。

事実と仮説を色分けする

ジャーニーマップは、異なる種類の証拠を一枚に置きます。アクセス解析で分かるのはページ間の移動であり、その人が稟議で困った理由ではありません。顧客取材で分かるのは語られた経験であり、市場全体の頻度ではありません。

1

行動データ

検索語、ページ遷移、メール反応、商談履歴。何が起きたかを示すが、理由は推測しない。

2

顧客の語り

検討のきっかけ、比較、社内調整、利用後の経験。記憶の偏りと個別条件を確認する。

3

社内記録

営業質問、失注理由、問い合わせ、サポート。顧客の発言と担当者の解釈を分ける。

4

未確認の仮説

データがない段階や感情。推測と明示し、次の取材・計測で確認する。

6ステップで作る

BtoBカスタマージャーニーの作り方
1

目的と対象を決める

新規問い合わせ、商談化、継続など、改善したい範囲と中心ペルソナを選ぶ。

2

現状の事実を集める

顧客取材、営業記録、検索データ、問い合わせ、失注理由を集める。

3

段階を顧客の言葉で分ける

自社を知った段階ではなく、課題認識、方法比較、候補比較、社内合意など判断で分ける。

4

関与者と障害を置く

各段階に誰が加わり、どの条件や不安で検討が止まるかを整理する。

5

情報と接点を割り当てる

記事、事例、資料、商談、メールなど、次の判断を助ける手段を選ぶ。

6

不足を優先して作る

影響が大きく、確認できる根拠があり、現実に制作可能な情報から着手する。

会議で完成させず、事実・共通点・仮説を分け、確認する項目を残します

「認知・興味・比較」のような一般的な段階をそのまま使わず、自社の顧客が実際に行う判断で分けます。例えば記事制作なら、「発信が止まった」「内製と外注を比べる」「制作会社を比べる」「社内で予算を取る」といった段階です。

コンテンツを割り当てる

ジャーニーを作る目的は、空欄を記事で埋めることではありません。顧客の判断に影響する情報の不足を見つけることです。

1

課題認識——入門・診断

用語解説、失敗の兆候、セルフチェックで、現状を言葉にできるようにします。

2

方法比較——ガイド・比較

内製、外注、ツールなどの選択肢と、向いている条件を示します。一つの正解へ誘導しません。

3

候補比較——事例・費用

支援範囲、制作プロセス、費用、実績を示し、自社との共通点と違いを判断できるようにします。

4

社内合意——資料・FAQ

導入効果、体制、スケジュール、リスクへの回答をまとめ、担当者が社内説明に使える形にします。

5

導入——進行ガイド

準備物、役割、確認手順を示し、契約後の不安と手戻りを減らします。

6

継続——活用・成果事例

成果の見方、二次利用、改善方法を届け、利用価値を高めます。顧客の学びを次の企画へ戻します。

検索流入が多い記事だけを優先すると、課題認識の段階へ偏ります。商談で繰り返し質問される費用や進め方がWebにないなら、検索数が小さくても先に作る価値があります。

この配分をオウンドメディア全体のテーマと運用へ広げる方法は、BtoBオウンドメディア戦略ガイド2026で解説しています。

導入事例記事の作り方で説明している「導入前の葛藤」「選定理由」「実施の具体性」は、候補比較と社内合意を支える情報です。事例を単なる成果紹介にしない理由も、ジャーニー上の役割から理解できます。

仮想例で確認する

以下の企業・資料・発言・進捗は、説明用に編集部が作った架空の設定です。顧客調査の結果や公開実績ではありません。 BtoB企業の兼任広報が、止まった記事制作を再開し、まず1本の公開確認まで進める場面を考えます。月1本という希望は、この例だけの社内目標であり推奨頻度ではありません。

中心となる対象者は兼任広報です。上長、取材に協力する現場、原稿の確認者が途中から加わります。範囲は「制作が止まった理由の整理」から「初回記事の公開確認」まで。契約更新や長期の売上効果は、このマップの外に置きます。

段階・主な問いこの例で用意した架空資料まだ断定できないこと次に用意する情報・確認
課題整理:なぜ制作が止まったか。広報と原稿確認者に聞く役割表Aでは「原稿確認の担当」欄が空白担当者がいないのか、表への記入漏れなのかは不明現在の担当と実際の確認順を聞き、役割表を直す。ネタ不足と決めつけない
方法比較:どこまで社内で担えるか。広報と取材協力者が考える提案メモBには「企画・取材を含む案」と「執筆だけの案」がある社内に取材の時間や編集担当があるかは未確認各案で社内に残る作業、担当、確認時期を並べて聞く
候補比較:同じ条件で比較できるか。広報と購買担当が確認する見積メモCは、取材と修正回数の記載範囲がそろっていない金額だけでは、依頼範囲の差や追加費用を判断できない本数、取材、修正、利用範囲、納品形式を共通の依頼書へ書き、各候補に確認する
社内合意:何が確認待ちか。広報と上長が話す打ち合わせメモDには「上長確認待ち」とある予算への反対なのか、目的や利用先が不明なのかは分からない上長に判断項目を聞き、目的、必要な工数、利用先を1枚にまとめる
公開確認:誰が何を確かめたら完了か。広報と公開担当が確認する進行表Eは「原稿確認済み」、公開ページの確認欄は空白原稿確認済みという記録だけでは、公開済みと扱えない実際のURL、本文・出典・画像・リンクを確認し、担当と日時を残す

この表で優先するのは、架空資料Aの空欄を埋める確認です。確認工程が止まっているなら、入門記事を追加しても制作再開へつながるとは限りません。資料B〜Dも、疑問が残る場合に使う情報の候補です。全段階で記事を新しく作る必要はなく、役割表や打ち合わせで解ける問題もあります。

見積もりの条件をそろえる具体的な書き方は、記事制作の依頼書ガイドで確認できます。マップで見つけた「不足」を、そのまま依頼書の目的、作業範囲、確認担当へ移すと、制作へつなげやすくなります。

記入用のひな型

次の項目を1段階ずつ複製して使います。「資料がない」は空欄にせず、未確認と書きます。氏名、連絡先、契約条件などを共有版へ写す前に、必要性と共有範囲を確認してください。

  • 対象と場面:誰が、何を達成しようとしているか。
  • 範囲:どこからどこまでを扱い、何を除外するか。
  • 問い・関与者:次の判断に必要な問いと、途中から加わる役割。
  • 確認できた資料:記録名、確認日、該当箇所。発言と担当者の解釈を分ける。
  • 未確認の仮説:資料だけでは分からない理由や、想定している障害。
  • 次の確認:誰に何を聞き、いつ見直すか。答えがなければ未確認のまま残す。
  • 必要な情報と担当:記事、資料、面談、社内の役割整理などから選ぶ。
  • 完了の確認:何が観測できれば改善を確認できるか。測れないことも記す。

更新するタイミング

ジャーニーは完成資料ではなく、更新する仮説
A形骸化する運用
  • 作成会議で完成とする
  • 理想の行動だけを書く
  • ページビューだけで判断する
  • 営業と別々に管理する
  • 毎年同じ図を使う
B学習に使う運用
  • 未確認の仮説を明記する
  • 実際の戻りや停滞を記録する
  • 質問・回遊・失注も見る
  • 営業レビューで更新する
  • 大きな変化のたびに見直す

新商品、価格変更、購買関与者の変化、検索・AI利用の変化があれば、ジャーニーも変わります。毎月すべてを書き直す必要はありません。商談で新しい質問が増えた、特定の段階で失注が続くといった変化を記録し、四半期ごとに優先箇所を見直します。

成果をどう測るか

ジャーニーの成果を、作ったマップの枚数では測りません。マップから選んだ改善箇所ごとに、顧客の前進、体験、事業、運用の指標を組み合わせます。

観点指標の例読み方
情報への移動次の記事への回遊、比較資料閲覧、再訪移動や閲覧の観測。理解や社内承認まで進んだ証明にはならない
体験顧客インタビュー、質問内容の変化、満足度質問の減少だけでは解決と決めない。関心の低下や離脱も確認する
事業商談化、受注、継続、営業利用重要な事業行動と関係したか
運用回答時間、確認往復、制作・営業工数裏側の工程も改善したか

一つの記事を読んだ人が受注したからといって、その記事だけの効果とは断定できません。BtoBでは複数の記事、営業、事例、紹介が重なります。接点別の貢献値を無理に一つへ決めるより、「どの障害を減らす施策だったか」を定め、定量データと顧客・営業の声を一緒に確認します。

指標を決める際は、オウンドメディアのKPI設計で、閲覧から事業成果までの段階を分けて整理できます。記事から問い合わせまでの計測では、クリック、フォーム到達、受付完了の違いを確認してください。アクセス解析の同意者と、問い合わせ台帳の全件など、対象が異なる数を割って転換率としないことも大切です。

マップの限界

地図は現実を選択して表したモデルです。精密にするほど正しいとは限りません。

  • 段階名を置くことで、本来連続している検討を分断して見せる。
  • 中心ペルソナへ寄せることで、別の関与者や少数の経路を落とす。
  • 購入前を詳しくし、導入、利用、更新、解約を薄くしやすい。
  • 顧客が思い出して語れる接点へ偏り、無意識の判断や外部要因を見落とす。
  • 自社が管理できるWebやメールを大きく描き、口コミ、同僚、競合、AI回答を軽く扱いやすい。

全経路を一枚へ再現しようとせず、今回解きたい問題、対象顧客、期間、除外範囲を明記します。重要な例外が見つかれば、既存マップへ無理に足すのではなく、別の旅として調べます。

最初の30日

カスタマージャーニーを小さく始める30日
1

1週目——範囲を絞る

一つの商品、一つのペルソナ、課題認識から商談までなど、対象を決める。

2

2週目——事実を集める

対象と状況が分かる記録を集め、関与する役割へ話を聞く。未確認の段階と、今後聞く相手を残す。

3

3週目——地図を作る

段階、関与者、問い、障害、既存コンテンツを一枚に置き、事実と仮説を分ける。

4

4週目——1つ改善する

影響が大きい不足を一つ選び、記事、事例、FAQ、営業資料の企画へ落とす。

日程は小さく始めるための進行例です。調査人数や30日での完了を、十分性や成果の基準にはしません

企画と制作へつなぐ

ジャーニーを作っても、専門家への取材、制作、社内確認が進まなければ情報は増えません。企画と実行を分断せず、不足した情報をどの形式で、誰から聞き、どこで使うかまで決めます。

1

調査・設計

対象者、範囲、資料、未確認の問いを残す。制作担当へ渡す前に、何を調べたかを共有します。

2

優先・企画

不足の影響、根拠、工数を比べる。記事、事例、社内の役割整理など、適した手段を選びます。

3

制作・確認

必要な取材、執筆、撮影と、それぞれの担当を決める。原稿確認、公開作業、公開ページの確認を分けます。

4

展開・改善

Webや営業資料での利用先、観測する行動、見直す担当と時期を決めます。未計測の成果は未確認のまま残します。

まとめ

カスタマージャーニーは、顧客を一つの経路へ誘導する図ではありません。顧客がどこで迷い、誰が加わり、何が足りないかを社内で話し合う地図です。

歴史的な資料からは、顧客群の段階管理、体験を支える業務設計、循環する意思決定、購入前の情報探索という異なる視点を得られます。BtoBでは一人の一本道ではなく、企業と複数の関与者の旅を重ねます。地図を精密にするより、事実と仮説を分け、重要な不足を一つ選び、コンテンツや営業工程として改善するところまで進めます。

よくある質問

カスタマージャーニーとファネルはどちらを使うべきですか

目的で使い分けます。顧客群がどの段階で減るかを見るならファネル、特定の顧客がなぜ迷い、何を必要とするかを理解するならジャーニーです。実務では、ファネルで問題箇所を見つけ、ジャーニーで理由を調べます。

検討段階は何段階に分けますか

決まった数はありません。「認知・興味・比較」をそのまま使わず、顧客の判断が変わる地点で分けます。BtoBなら、課題認識、解決方法の比較、候補企業の比較、社内合意、契約・導入などが一例です。

感情曲線は必要ですか

必須ではありません。「不安」と書くだけなら改善へつながりません。何が分からず、どの根拠があれば判断できるかを取材で確認できる場合に使います。

顧客取材は何社必要ですか

統計的に市場を推定する調査ではないため、一律の正解はありません。最初は同じ商品・状況の顧客を複数社比較し、共通点と例外を探します。人数だけで十分と決めず、どの役割・状況を確認できていないかを残し、例外や矛盾が出た箇所を追加で調べます。

BtoBで複数の関与者はどう描きますか

今回の問題に合う対象者を一人選び、その旅を横軸にし、決裁者、利用者、法務、情報システムなどが加わる地点を別の行で示します。各人の問いが大きく異なる場合は、一枚へ詰め込まず役割別のサブジャーニーを作ります。


主な参考資料

※ カスタマージャーニーの成立には複数の研究・実務の系譜があり、単一の起源へ確定するものではありません。記事内の事例は考え方を説明するための仮想例です。実際の購買プロセスは、商材単価、契約形態、業界によって異なります。

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